主な内容
1章 持たざる経営とは
1.「持たざる経営」を実現している会社
事務員も営業マンも必要ない
子会社をたくさん作り、お金をグループ内で回す
聞く耳を持たない先代を説得し「持たない経営」を実現
在庫を持たない経営で生き延びる過疎地の会社
2.なぜ「持たざる経営」がいいのか
持たざる経営だからこそ、大きな環境変化も乗り越えられる
東日本大震災で大打撃を受けても資金繰りに困らない会社
「持たざる経営」が進むと損益分岐点が下がる
よく見れば、持たない経営があふれている
「持たざる経営」は強い会社のグローバルスタンダード
2章 「持たざる経営」の3ステップ
1.「持たざる経営」を極める3つのステップ
純利益率の高い会社
第1ステップ「たたむ・削る・変える」
お金が残る体質へ転換する
第2ステップ「見抜く・仕組む・仕掛ける」
継続的に稼ぐ形を作りながら、儲けの核心を見つけて磨く
①顧客の真のニーズを「見抜く」
②持続的にお金が残るように「仕組む」
したたかな戦略
③稼ぐ売りモノを磨くために「仕掛ける」
第3ステップ「伸びる・選ぶ・仕切る
不況であって驚異的な利益をたたきだす企業へと進化させる
①「売ってください」「買わせてください」の存在になれば勝手に「伸びる」
②稼げる売り先を「選ぶ」
③取引条件を有利に導くように「仕切る」
3章【第1ステップ】お金が残る体質へ転換する<たたむ・削る・変える>
1.高額の資産をお金に変える
会社にお金が残る体質へ転換
①含み損のある土地・建物を売却する
赤字額の40%は国が負担してくれている
貸借対照表に土地がある場合
土地は減価償却できない
除却損を上手に使った例
資産を修繕費に変える
赤字は累損として10年繰り越しできます
②現預金を過剰にもたない
20年の時を経て、総資産の7割を削った会社
なぜそんなにも現預金を持ちたがるのか
当座貸越枠を活用しなさい
倒産防止共済を活用しなさい
生命保険を解約しなさい
③回収期間を縮める
④在庫を減らしておく
特別損失にして廃棄する
販売計画をうのみにしない
過剰な在庫は子会社へ売却する
⑤長期貸付金
世代交代をきっかけに、持たない経営へシフトした会社
2.軽くしたいのはアセット(資産)だけではない
①人を減らして労務コストを軽くせよ
悪化する労務環境
賃金は上げざるをえず、賃金以外の費用も上昇する
小売・サービス業はデジタル化で人を減らしなさい
資金に余裕がある会社の社長の発想
付加価値のない業務に人手を使わない
②資料・文書類はデジタル化する
ノンペーパー・・ノンライティング
③デジタル化で付加価値のない作業を減らす
中小企業のデジタル化は遅れている
タイムカードを電子化し、給与明細はメール配信にする
品質チェックのデジタル化
小口現金をやめるには
株主の人数を減らす
4章【第2ステップ】継続的に稼ぐ形を作りながら儲けの核心を見つけて磨く<見抜く・仕組む・仕掛ける>
稼ぎ続ける形にするべく「見抜く」「仕組む」「仕掛ける」
子会社を増やし、機能をわける
キャッシュリッチになり、グループ会社へ貸しつける
「微差が大差になる」で商品力を高め、地域一番店を維持している会社
ワーカー人数を減らし、工場企画の人員強化で商品力を高めた会社
「売るモノはないけれど売りモノはある」で営業マンをゼロにした会社
斜陽産業の中にあるニーズを見抜いて営業黒字を継続する会社
固定資産を削り、減価償却と除却損でお金を残すように変えた病院
減価償却に注目(減価償却で稼ぐ)
減価償却費をいかに増やすか?
【稼ぐ資産の持ち方①】常に最新設備を保有してライバルへの優位性を確保する
資産をいかに早く償却させるかの発想をもたない経営者
【稼ぐ資産の持ち方②】中古資産購入時の減価償却を活用する
稼ぐ形づくりで増えたお金を、売りモノ磨きに使いなさい
【経営コラム】なぜ日本の経営はアセット(総資産)が重いのか
他人資本に頼れないアメリカ
日本の経営のアセット(総資産)が重い理由
5章【第3ステップ】不況であっても驚異的な利益を叩き出す企業へ進化させる「伸びる・選ぶ・仕切る」
不況であって驚異的な利益を叩きだす企業へと進化させる
ある時点から急激に業績が良くなる
下請け企業でも営業利益率を20%以上稼ぐ会社
高い商品開発力で年商の4倍の現預金をもつ会社
機能にデザインを加えて商品力を圧倒的に強くした会社
「伸ばす」のではなく「伸びる」
売上を追うから総資産が増える
①安売りが増えて粗利率(売上総利益率)が下がる
②売上至上主義に陥ると、総資産がどんどん増えます
売上高を伸ばすための活動をしなくても、お客様から寄ってくる
「選ばれる」のではなく「選ぶ」
「仕切られる」のではなく「仕切る」
ライバルとの優位性を見出して、自社の売りモノを磨きなさい
それでも「たたむ・削る・変える」に手を抜かない
6章 持たざる経営【準備段階】
「持たざる経営」へ、はじめの第一歩
1.貸借対照表(B/S)はグラフ化して見る
貸借対照表はグラフ化して見るとわかりやすい
B/Sは自社の体力・体質をあらわす通信簿
2.業種別で必要な資産の持ち方は異なります
B/Sは、業種・業態によって理想形が異なります
①小売・外食業
②メーカー
③卸売業
④建設業
⑤サービス業
⑥不動産業、ホテル、病院など
業種別 B/S面積グラフからみる「良い回転・悪い回転」
①小売・外食業
資産が小さいほど回転がよくなる
②メーカー
③卸売業
卸売業で「持たない経営」を実践する会社
④建設業
⑤サービス業
⑥不動産業、ホテル、病院など
3.利益を出さないムダなものは小さくても処分する
利益を生み出さない資産を持っていないか
①電話加入権は除却する
②不要な投資有価証券は売却しておく
③美術品・骨董品を売却する